こんにちは。
KIRIKA Weddingsのえみです。
自分への戒めとしてこの記事を書きます。
2か月くらい前の話です。お客様からお叱りを受けました。
そのお客様は、日台カップルの方で半年間に渡るお付き合いをさせていただいて、毎月2回、2時間半~3時間におよぶ打合せに加え、日々のメールなど、じっくりとお付き合いをさせていただいた方です。
お二人のお力添えもあって、少しずつですが打合せを重ねる中で、信頼関係を築き、お互いにきもちのいい関係性の中で準備を進められた。そう思ってました。
毎回の打合せでは、楽しさや充実感を感じていましたし、互いに懸命に準備に取り組み、結婚式をとても楽しみにしていました。実際の結婚式も本当に素敵で、お世辞抜きで夢のような時間だったと思っています。
でも、結婚式が終わってしばらくして新婦様からいただいた言葉は、素敵な結婚式になったけど、「えみさんは一人前のウエディングプランナーじゃない」という内容のものでした。
言葉は違いますけど、一言でいうとそういった指摘です。
お客様は、カスタマイズ形式の結婚式を選ばれました。
カスタマイズ形式の準備は、パッケージ形式の結婚式とは違って、結婚式に必要なウエディングアイテムを全て自由に組み合わせて作る結婚式なので、打ち合わせ内容も膨大で、お二人自身も決して楽ではありません。
準備は、これといった決まった方法はなくて、お客様一組一組の状況や各業者さんのやり方、準備進度に合わせて、日本と台湾のやり方の違いをすり合わせながら、その時その時の状況によって進めています。私自身の知識や経験、そして、勘や感覚も頼りにしながらやっています。
というのも、台湾は、日本とは違って自由で個性が尊重される社会なので、本当にいろんな人がいて、いろんなやり方があって柔軟性が求められるからです。
加えて、結婚式業界は、フリーランスの方や個人経営の業者さんも多く、個性豊かな人たちの集まりですし、結婚式のやり方も日本と台湾では異なるので、日本の常識が通じるところではありません。
結婚式は、ウエディングプランナーひとりの力で成り立つものでもありません。たくさんのスタッフさんの力をお借りして、二人の望む結婚式を具現化するために、プランナーである私が自分の立ち位置を変えながら、時には、自分のやり方を180度変えて、二人とサポートしてくださるスタッフさんの間に立ちます。
スタッフさんと二人の関係性をいかに良好に築いていくかが、結婚式を成功に導く鍵になると感じているからです。
二人にはスタッフさんをすきになってもらえるように、スタッフさんにはモチベーション高く仕事に打ち込んでもらえるように、気を張って、気を遣って、気を効かせて、状況を読み取り、判断し、慎重にコミュニケーションを取っています。
できてないかもしれませんが、そういった姿勢で取り組んでいます。
でも、そういうやり方も立ち位置や見せ方を間違えてしまうと、プランナーの存在価値が薄れてしまったり、結婚式の準備に一貫性が欠けてお客様を不安にさせてしまったり、打ち合わせを負担に感じさせてしまったりするのだと思います。
順調に進んでいるように見えた打合せで、実は、お客様は、不安や不満を募らせていたのかもしれません。
まじめで、誠実で、礼儀正しくて、でも、固すぎなくて、飾らないお二人。
絵に描いたような理想のお客様だったと思います。
人として素敵だなと思えるお二人でした。
そんなお二人なので、私の台湾ウエディングへの思いや努力を認めてくださり、激励の意味も込めて、慎重に言葉を選びながら、私に足りなかったことを打ち明けてくださいました。
だからこそ、ショックも大きかったですし、どうしていいのかわかりませんでした。
メッセージをいただいた時は、自分の甘さや未熟さを受け止める勇気さえありませんでした。
お客様には、サポート料金をお返ししようと思ったのですが、今もできるならそうしたいと思ってます。でも、そうすることでお客様に嫌な思いをさせるのではないかと思ってできていません。
返金したからと言ってお客様の気もちが救われるものでもありませんし、それを望まれているお客様でもありません。
謝罪目的でなく、今後に活かしてほしいとも言われました。
意地悪なお客様でもなければ、変なクレーマーなんかじゃない方だからこそ、自分自信のパフォーマンスが不完全であったことが情けなくて、悔しくて、ただただ落ち込みました。
サポートは一生懸命させていただきました。手抜きをしたつもりはありません。
でも、もっともっとお客様に寄り添ったサポートの仕方があったかもしれないし、言葉の選び方や使い方、業者さんへの橋渡し方法があったかもしれません。
サポート内容をもっと明確に伝えるべきだったのかもしれません。
自由で縛りがない結婚式の作り方をよしとしていたけれど、単にお客様の負担が大きいだけなのかもしれません。
お客様のSOSに気づかず、結婚式を形作ることだけに夢中になっていたのかもしれません。
私、ウエディングプランナーやっていけるのかな・・・
そんな風に思いました。
自分のプランナーとしての在り方、やり方、見せ方をどう変えていったらいいんだろう。
先が見えなくて、それまで自分の中に押し込めていた負の感情が一気に溢れ出して、疲れを感じ、逃げるようにしてしばらく台湾を離れました。
海外にいる間は、別に観光をするわけでもなく、朝、自然に目が覚めて、ごはんを食べて、お散歩して、子どもが寝てる間に仕事をしてっていう贅沢な時間をちょっと暗い気もちのまま過ごしました。
その中で、仕事のこと、家族のこと、夫婦のこと、子どものこと、お金のこと、自分の人生のこと、いろんなことを思い浮かべたりして、ただただ、いつもよりちょっとゆったりとした時間を家族で共有しました。
その間、私を励ましてくれるかのように、二人のお客様から心あたたまるお礼のメッセージをいただきました。
旅を終えて、いつもの日々に戻ってからは、知人のFacebookの投稿で、仕事と子どもとの時間のバランスに悩みもがきながらも懸命にがんばってる等身大の姿を綴ってる記事を見つけました。
KIRIKA Weddingsの活動を支えてくれている台湾人のスタッフさんには、「(日本人向けの)台湾の結婚式という難しい道を選んでるから」とそっと励ましてくれました。彼女自身も自分の目標や夢に向かって努力していて、夢が叶いつつあると聞いてうれしかったです。
そんな些細な出来事だけど、少しずつ前を向くことができて思い直し始めました。
台湾ウエディングを諦めたくない。
もっとたくさんの人に知ってもらいたい。
成長したい。
私は、確かにウエディングプランナーとしては不完全だと思います。
ウエディングプランナーと聞いて思い浮かぶような女性らしく丁寧できめ細かなサポートができるタイプではありません。
ウエディングプランナーになったのも、結婚式の仕事がすきですきで、昔からなりたくて目指したわけではありません。
漠然と海外で働きたいと思っていた私が、縁あって台湾に来て、着付師として活動していたことがきっかけで導かれるようにブライダルの世界に飛び込むことになりました。
結婚式はすきです。大すきです。
人並みにすきだと思います。
でも、私が台湾でウエディングプランナーをやっている理由は、単に結婚式がすきだからではありません。
台湾の魅力を伝えたいと思ってるから。
台湾での結婚式や前撮りを通して、台湾のあたたかい空気感や社会のバランスのよさ、人々の明るさややさしさを肌で感じてもらって、台湾の魅力をもっともっと感じてもらいたい。
さらにいうならば、それを日々の暮らしの中に落とし込んでもらいたいとも思っています。
私は不器用だけど、やりたいことや夢だけは一丁前にたくさんあります。
だったら、またいつかどこかでお客様にお会いしても恥ずかしくないよう、前を向いてやるしかない、
そう思います。
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